クマさんにクイズです!
日本で初めて「税」の仕組みができたのはいつ頃の時代だと思う?
なんだい?唐突だなネコくん。
税の仕組みは昔からありそうだから江戸時代あたりかな?
ブブーッ!!違います!もっともっとずーっと昔さ!
邪馬台国を卑弥呼が治めてた時代…3世紀頃の弥生時代まで遡るよ!
えぇ!?そんな昔から税ってあったのかい!?
弥生時代の税制
中国の歴史書「三国史」の中の魏志倭人伝に日本の税のことについて書かれている最古の記録があるよ。
🐱 卑弥呼の時代の邪馬台国における税
当時、日本の邪馬台国を治めていた卑弥呼に対して人々は種もみや絹織物などを貢物として納めていたと伝えられており、これが日本の税のはじまりと言われています。
当時の日本では、「お金」のシステムが無かったので食べ物や織物などが財産としての扱いをされていたと考えられます。
また、当時の邪馬台国の税は、納めた住民に対してしっかり還元されるものではなかったという説もあります。
えぇ?税を納めた住民に還元しないんじゃあ、上からの一方的な搾取じゃないか。
今の税金のシステムからは随分かけ離れたものだったんだなぁ…
飛鳥時代から平安時代の税制
そして時代が進んで飛鳥時代…645年の大化の改新以降、次々と新しい政治の方針が示されたんだ。
そして、701年の大宝律令で租・庸・調そして雑徭という税や労役をかける本格的な税のしくみができたんだ。
🐱 租・庸・調と雑徭の概要
・租 … 収穫した稲の3~10%を納める税。
・庸 … 都で一定期間労働するか代わりに布を納める税。
・調 … 絹や海産物などの地方の特産物を納める税。
・雑徭… 地方で公共事業等の労役を行う税。
ちなみにこの租・庸・調、雑徭は唐(当時の中国)の制度を参考にして取り入れた仕組みでした。
モノをだけじゃなく労働も税の内容として組み入れてたんだ。
ただ、次第にこの律令制度は崩壊していった。
そして、平安末期以降から納める税の仕組みが年貢というものが中心になっていくんだ。
🐱 年貢の概要
田んぼや畑の数や等級を基準として、お米をはじめとしたさまざまな産物を徴収していた制度です。
お米を税として納めてたんだね。
室町時代から安土桃山時代の税制
時が流れて室町時代。商業を中心とした貨幣経済が発達してきた。
それに伴って関銭や津料といった幕府に対して納める色々な税ができた。
🐱 室町時代の主な税制
室町時代は商業を中心として貨幣経済が発達しました。そして、商人などの物を売り買いする人の往来が増えた時代なので、農民だけじゃなく商人や職人からも税をとるようになり、以下のように幕府に対して納める色々な税ができました。
関銭… 街道の通行料として課せられる税。
津料… 港に入港する際、船に課せられる税。
商業の発展と税って密接な関わりがあるんだなー。
そして、更に時は流れ安土桃山時代…天下統一を達成した豊臣秀吉が画期的な税制政策を打ち出した!それが太閤検地だ!
🐱 太閤検地とは
太閤検地では、田畑の収穫量と土地の権利関係を全国的に調査しました。そして、田畑の収穫量を米で換算した石高を全国の田畑で定めました。その石高の3分の2を年貢として土地の所有者に納めさせました。
これの何が画期的なの?
太閤検地のすごいところは色々あるけど、基準を全国で統一させた税制を作ったことがすごいね!
🐱 太閤検地の着目点① 基準の統一化
太閤検地を行う前の戦国時代では、農村側の自己申告で自分の領国の調査(検地)をして年貢を納めていました。みんなそれぞれのやり方でやっていたので、測定をする時の基準は場所によってバラバラでした。
それに対して、太閤検地では測定の基準を全国的に統一したので田畑のランク分けがしっかりされ、米の生産高もしっかり把握することができました。
場所によって基準がバラバラじゃあ不公平だもんね…
流石は天下統一をした男!税制も全国で統一させたのね!
さらに太閤検地により、複雑な年貢納入の流れが一気に解消されてシンプルになったんだ!
🐱 太閤検地の着目点② 年貢納入のシンプル化
太閤検地を行う前は、複数の領主に年貢を納めたり、有力農民に年貢を納めてから領主に年貢が納められたりといった複雑な権利関係になっていた地域がありました。そして、農民が違う土地に勝手に行かれてしまうことも問題となっていました。
しかし、太閤検地により、土地を耕す農民が所有者として年貢を納める一地一作人の原則が確立され、複雑な権利関係が整理されました。さらに、農民と農耕地の権利を結びつけて勝手に移動できないようにしたおかげで複雑な年貢納入の流れが一気に解消されました。
シンプルにした方が管理する側としてはやりやすいだろうしね。
江戸時代の税制
江戸時代に入ると、年貢以外にも労役を課す税や商工業者にかけられたりする色々な税が出来たんだ。それらはまとめて諸役と呼ばれている。
🐱 江戸時代の年貢と主な諸役
・年貢…田畑でとれた米の約半分を納める税。村全体の責任とされた。
・小物成… 土地の特産物(田畑以外)にかかる税。
・高掛物… 村高(=村の石高)や持高(=耕作する土地の石高)にかかった税。
・上納金 … 臨時事業や財政の補填のために課せられた税。
・国役… 藩から命令された土木工事に参加する労役としての税。
・村役… 村のための土木工事に参加する労役としての税。
・助郷役…荷物運びなど宿場の応援をする労役としての税。
・運上金… 商業・手工業・運送業者などに課された営業税。
・冥加金… 特権を与えられた商工業者がその謝礼として金銭を納めた税。
ずいぶんたくさんあるね。農民は年貢で半分とられたうえで労役まで課せられたら大変だっただろうね。
実際、農民が年貢の減免などを幕府や藩に要求する目的で百姓一揆っていうデモ行為が度々起きてたからね…度重なる飢饉の中での年貢納入も負担になったよ。
なるほどなー。それにしても税の歴史って奥が深いなー。
とりあえず、起源から江戸時代の税制に至るまでの日本の税の解説をざっとしたよ。
そして、明治時代以降の税制は更に複雑化して現代の税制に近づいていくんだ!そのことについては別記事で解説していくね!
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