消費税ってどんな税金?①(課税区分について) 【税金の仕組みが分かる】【猫が教えるシリーズ】

消費税
こんな方にオススメです

・税金の仕組みについて基礎から学びたい方

・税金の仕組みについて“楽しく”学びたい方

・税金のことについて少しでも興味のある方

やったー!ラッキー!!

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

どうしたの?クマさん?なんだか嬉しそうだね…

お気に入りのハチミツを安く買えたんだ!

税抜きの定価が3,000円で消費税10%が加算されて3,300円のはずが、3,240円だったんだ!だから60円得したよー!

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

…クマさん。
消費税は必ず10%になるとは限らないよ。

え?そうなの!?

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

どうやらクマさんは現行の消費税について知らないみたいだね。

消費税のことなんて一切知らないよ。

なんならどんなものに消費税がつくかもよく知らないで何となく払ってるし。

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

それはちょっとマズイかもね…ちょうどいい機会だから消費税のことについて説明していくか…

消費税は人々の生活と密接に結びついている税金だけど、とても複雑な仕組みを持つ税金なんだ…だから基本的なことだけに絞って解説していくよ!

どこまでもついていきやすぜ!相棒!

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

OK!

消費税は、モノを購入したときやサービスを受けたときに、その値段に上乗せして支払う税金のことだよ。

消費税が課せられるには以下の4つの要件をすべて満たす必要があるんだ。この要件は、消費税法により規定されているよ。

🐱 消費税の課税対象となる取引の要件

国内において行われるものであること 

事業者が事業として行う取引であること 

対価を得て行う取引であること

資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供等に係る取引であること

なにがなにやらって感じだよ

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

ひとつずつ説明していくよ!

1つ目の要件は、読んで字のごとくだね。消費税が課税されるのは国内の取引に限定されるんだ。海外の取引は課税対象外だよ。

これは、「日本で消費されるモノについては日本の消費税を課す」、「海外で消費されるモノについては日本の消費税を課さない」という考えによるものなんだ。

なるほど。日本の消費税はあくまで日本の中だけの話だよってことか。

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

2つ目の要件は、法人や個人事業者が正当な事業のもと、モノの販売・サービスの提供をしているものだけに消費税の課税は限定されるということだ。

例えば、個人のプライベートでハチミツをお小遣いほしさに他人に売った際は、事業にあたらないから消費税は課せられないよ。

オラがお店で買ったハチミツを誰かに売っても消費税はつかないんだな。オラはそういう業者じゃないし。

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

3つ目の要件は、お金をだしたことにより、モノやサービスの提供を必ず受ける取引じゃなければ消費税は課せられないということだ。

補助金や寄付金を受け取る取引では消費税は課せられない。出したお金に対して対価を得てないからね。

たしかにせっかく善意100%で相手に対して寄付したのに横ヤリで消費税とられちゃたまったもんじゃないよね。

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

4つ目の要件について、消費税が適用される取引の内容についての話だ。

「資産の譲渡」は製品・商品とかのモノの販売に該当するね。

「資産の貸付」は駐車場やアパートなどの賃貸はこれに該当する。

「役務の提供」はサービスの提供のこと。仲介、宿泊、飲食や税理士さんとかの士業サービスもこれに該当するよ。

ふむふむ。

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

これら4つの要件のうちどれか1つでも満たさないものがあれば、取引に消費税は課税されないんだ。この取引を不課税取引と呼ぶんだ。

じゃあ、この4つの要件を満たす取引には消費税が課税されるんだね!

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

そう!…、って言いたいとこなんだけど実は違うんだ。
4つの要件を満たしても消費税が課税されない取引もあるんだ!

えぇ!?

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

課税の4要件を満たしても消費税の性格になじまないものや社会政策的配慮から、課税しない取引が定められてるんだ。これを非課税取引という。

該当するものは以下の取引が挙げられるよ。

🐱 非課税取引に該当する取引

① 土地の譲渡および貸付け

② 有価証券等の譲渡

③ 支払手段(銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形、暗号資産など)の譲渡

④ 預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等

⑤ 日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡および地方公共団体などが行う証紙の譲渡

⑥ 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡

⑦ 国等が行う一定の事務に係る役務の提供

⑧ 外国為替業務に係る役務の提供

⑨ 社会保険医療の給付等

⑩ 介護保険サービスの提供等

⑪ 社会福祉事業等によるサービスの提供等

⑫ 助産

⑬ 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供

⑭ 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け等

⑮ 学校教育

⑯ 教科用図書の譲渡

⑰ 住宅の貸付け

こっ…こんなにたくさん色々あるんだ…

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

1つ1つ説明していくと長くなりすぎるから割愛するね。

①の「土地の譲渡および貸付け」は消費税の性格になじまないものなんだ。

ちなみに「消費税の性格になじまないもの」ってどういうこと?

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

例えば、土地つきの一軒家を買ったとしようか。住宅は時間が経つにつれ経年劣化でボロくなっていってやがては取り壊されて無くなるでしょ?これは「消費」の考えになじんでいるよね。

でも、土地は時間がいくら経っても無くなるものではないから「消費」って考えはなじまない。だから消費税が適用されないんだ。

なるほど。「消費」されて無くなるものかどうかってのがポイントなんだ。

だったら有価証券とかも同じ理由で非課税なんだね。

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

そう!そして介護保険サービスや社会福祉事業等のサービスに係る取引は社会政策的配慮から非課税となっている。

これらは主に社会福祉的な性格を有しているものが多い。

そのサービスが無いと社会で生きていく中ですごく困る人がいたり、場合によると命に関わったりするものについては消費税をつけないって考えだね。

なるほどなるほど。

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

さらに不課税取引や非課税取引以外にも消費税を払わなくていい取引がある。それは免税取引だ。

日本国内の取引であっても輸出取引や、国際輸送などの輸出に類似する取引をして、商品の販売やサービスの提供などを行った場合は消費税が免除されるんだ。これを輸出免税というよ。

ちなみに輸出免税の適用を受けるためには、事業者が輸出取引等の区分に応じて輸出許可書を7年間保存する必要があるんだ。

輸出免税に該当する取引は以下の通りだ。

輸出免税に該当する取引

① 輸出として行われる資産の譲渡・貸付け

② 外国貨物の譲渡・貸付け

③ 外国貨物の荷役・運送等の役務の提供

④ 旅客・貨物の国際輸送又は国際通信・国際郵便

⑤ 外航船舶等・国際輸送用コンテナーの譲渡・貸付け・修理

⑥ 外航船舶等の水先・輸送等の役務の提供

⑦ 非居住者に対する無形固定資産等の譲渡・貸付け

⑧ 非居住者に対して行われる役務の提供で次に掲げるもの以外のもの

※1 国内に所在する資産に係る運送又は保管

※2 国内における飲食又は宿泊

※3 ※1、2に準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの

⑨ 非居住者に対する利子を対価とする金銭の貸付け

⑩ 外航船舶等に積み込まれる船用品又は機用品又は機用品の譲渡

⑪ 在日船舶等に積み込まれる船用品又は機用品の譲渡

⑫ 在日アメリカ海軍販売所等に対する物品の譲渡

⑬ 外国公館及び大使等に対する課税資産の譲渡等

これまた…いっぱいあるね…

ちなみに非居住者ってなに?

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

非居住者ってのは、日本における居住期間が1年未満、または生活の中心が国外にある人のことだよ。

外国人旅行者や、国内に住んでる外国人でも日本で居住している期間が1年未満なら非居住者にあたるんだ。

なるほど。

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

色々あるけど、国内取引であっても外国へのモノの輸出やサービスの提供、そして非居住者に対するものが主に輸出免税になるって感じだね。

在日アメリカ海軍の販売所や外国公館は割と特殊な例だけど…

免税取引はこれで全部?

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

まだあるよ。空港とかにある免税店で外国人旅行者に向けて販売するものについて一定の要件を満たすものは消費税が免除されて免税取引となるよ。

そういえば空港に免税店ってあるものね。あれは消費税が免税されてるのかぁ…

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

ちなみに免税店となるためには所轄の税務署から許可が必要だよ。

そして、全てのものが免税になるわけじゃなくて免税店では免税の対象となる物品の条件があるんだ。

それが以下の通りだよ。

区分金額基準(同一の者に対する同一の輸出物品)
飲食料品、薬品類、化粧品類その他の商品      5千円以上50万円以下 
一般物品(消耗品以外の物品で、金又は白金の地金でないもの)          5千円以上
免税店で免税となる対象の物品

「一般物品」ってどういうものをいうの?

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

主に電化製品、衣服、靴、鞄、宝飾品とかの生活で使用するモノが一般物品の括りに入っているよ。

ちなみに食品、飲料、化粧品、医薬品、タバコなどの使い捨てのモノは一般物品には入らず消耗品になるよ。

なるほどなー。

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

ややこしい言い方になるけど、さっきの課税の4要件を満たす且つ非課税取引・免税取引にあたらないものが、消費税が課せられる課税取引となるよ!

消費税を支払わなくてもいい取引は不課税取引、非課税取引、免税取引の3つなのかな?

どれも消費税が課されない取引ってことで同じはずなのにそれぞれ名前が違うなんて変な感じだね。名前を1つに統一すりゃいいのに。

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

消費税がかからないのはその3種類の取引になるよ。

ただ、これらは消費税がかからないって事自体は同じ共通点を持つんだけど、それぞれ会計処理や消費税の申告の時に扱いが大きく変わるんだ。だから区分されてるんだよ。

これについてはすごく複雑で説明すると長くなるから別記事で紹介するね!

別記事で紹介するって説明を流してるケースが多いなぁ…ネコくんは…

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

そんだけ消費税のシステムがすごく複雑なんだよ!消費税の解説をこと細かく説明していこうとすると、それだけで多分20記事くらいいくんじゃないかなぁ?

でも大丈夫!分かりやすく基本のところから丁寧に説明していくから、解説についていけるよう配慮するから安心して!

誠にありがたい!

クマさん
クマさん
ネコくん
ネコくん

とりあえず一旦ここまでにしとくか。
次も消費税に関する基本的なところを解説する記事になるから是非見てね!

 本記事のまとめ

・消費税は、モノを購入したときやサービスを受けたときに、その値段に上乗せして支払う税金。

・消費税の課税の要件をみたさない取引は、消費税が課せられない不課税取引となる。

・消費税の課税の要件を満たしても、消費税の性格になじまないものや社会政策的配慮から消費税が課せられない非課税取引となるものがある。

・課税の課税の要件を満たしても、消費税の性格になじまないものや社会政策的配慮から消費税が課せられない非課税取引となるものがある。

・日本国内の取引であっても輸出取引免税店での販売は、消費税が課せられない免税取引となる。

・消費税の課税の要件を満たす且つ非課税取引・免税取引にあたらないものが、消費税が課せられる課税取引となる。

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